新聞配達をしていた私が考える、新聞折込チラシはもう古いのか

  • チラシ

早朝、新聞配達のバイクが街中を走る音。
かつては当たり前のように聞こえていたその音も、遠くない未来には「昔はそういう風景があった」と語られるものになるのかもしれません。

私にとって、それはどこか懐かしい風景でもあります。

学生時代、私は新聞配達をしていました。

朝まだ暗い時間に起きて、新聞を積み、決まった家に一軒ずつ届ける。雨の日も、寒い日も、毎日同じように新聞を待っている人がいる。

その感覚は、今でもよく覚えています。

私が新聞配達をしていた時代は、今ほどインターネットが一般的ではありませんでした。もちろん、スマートフォンもまだありません。

当時は新聞折込チラシの量も今とは比較にならないほど多く、年始などは、まるで週刊漫画雑誌のような厚さになることもありました。一度ではバイクに積みきれず、何度かに分けて配達したことも覚えています。

それだけ新聞や折込チラシが、地域の情報を届ける手段として大きな役割を持っていた時代だったのだと思います。

その後、広告制作の仕事に就いてからは、新聞折込チラシの制作にも数多く関わってきました。さらに、以前勤めていた地域ポータルサイトの運営会社も、もともとは新聞販売店を母体とした会社でした。

紙の新聞、折込チラシ、地域情報サイト。
形は違っても、そこにあるのは「地域の人に情報を届ける」という役割だったように思います。

新聞を取り巻く環境は大きく変わっている

新聞を取り巻く環境は、この20年ほどで大きく変わりました。

日本新聞協会の調査によると、新聞の発行部数は2000年に約5,371万部ありましたが、2025年には約2,487万部まで減少しています。
ざっくり言えば、この25年で半分以下になったことになります。

新聞販売店を取り巻く状況も厳しくなっています。新聞を購読する世帯が減れば、当然、各家庭へ新聞を届ける仕組みそのものにも影響が出ます。静岡東部でも新聞販売店の統廃合を多く聞くようになりました。

この状況を見ると、新聞や新聞折込チラシは、もう過去の広告手段のように感じるかもしれません。

折込チラシは、もう古いのか

新聞の部数が減っている以上、新聞折込チラシの届く範囲が以前より狭くなっていることは事実です。

昔のように「とりあえず折込を入れれば、多くの家庭に届く」という時代ではなくなりました。
新聞折込チラシは、今後さらに縮小していくことが予想されます。
それでも私たちが販促を行う2026年現在においては、今なお他の媒体にはない強みがあります。

それは、地域を絞り、配布日を決めて、新聞を購読している家庭へ一斉に届けられることです。

もちろん、地域に紙の広告を届ける方法としては、ポスティングやダイレクトメールなどもあります。
ただ、決めた日に、一定の地域へ、新聞と一緒に紙のチラシをまとめて届けられる手段として、新聞折込チラシは今でも有力な選択肢のひとつです。

また、新聞を購読している世帯は、比較的年齢層が高く、生活基盤が安定している層に届きやすいとも考えられます。
実際、一部の新聞社が公表している読者データでも、購読者の平均世帯年収が一般生活者全体より高い傾向が示されています。

もちろん、すべての地域や新聞にそのまま当てはまるわけではありません。
それでも、新聞折込チラシは「誰に届けるか」を考えたときに、今でも検討する価値のある地域広告だと思います。

Webだけでは届かない人もいる

今は、情報の届け方が大きく変わりました。Web広告、SNS、LINE、Googleマップなど、地域のお店や中小企業が情報を発信する方法は増えています。

一方で、普段からインターネットやSNSに触れていると、地域の中にもまだWebをあまり使わない人がいることを、つい忘れてしまいがちです。

Web広告は地域を絞って配信できますが、その地域の人すべてに確実に届くわけではありません。スマートフォンをあまり使わない人、SNSを見ない人、検索してお店を探す習慣がない人には、情報が届きにくい場合もあります。

新聞折込チラシは、昔ながらの広告だから古い。
Web広告は新しいから正しい。

そう単純に分けられるものではありません。

だからこそ、地域広告ではWebだけでなく、紙のチラシや折込広告も含めて、届けたい相手に合わせた方法を選ぶことが大切です。

大切なのは、折込チラシだけで終わらせないこと

新聞折込チラシを昔と同じ感覚で考えることはできません。
ただ一方で、紙のチラシが持っていた「地域の暮らしの中に直接届く」という役割は、今でも見直す価値があると感じています。

これからの折込チラシは、紙面だけで完結させるのではなく、Webへの入口として活用することが大切です。

たとえば、チラシでまず存在を知ってもらう。
気になった人がQRコードからホームページを見る。
Googleマップで場所や口コミを確認する。
LINE登録や予約ページにつながる。
InstagramやWeb広告でも同じ内容を見かける。

このように、紙のチラシとWebをつなげることで、折込チラシは単なる紙の広告ではなく、集客導線の入口になります。

紙には、手元に残る強さがあります。
Webには、詳しく伝えたり、すぐに問い合わせにつなげたりできる強さがあります。

どちらか一方が正解というより、それぞれの役割を決めて組み合わせることが、これからの地域広告には必要だと感じています。

紙の広告は、役割を決めて使う時代へ

新聞折込チラシは、万能な広告ではありません。

ただ、商圏が限られている場合、年齢層がやや高めのお客様に届けたい場合、手元に残してもらいたい案内の場合、地域の中で認知を積み重ねたい場合には、今でも有効な選択肢のひとつです。

大切なのは、昔と同じ感覚で使わないことです。

誰に届けたいのか。
どの地域に配るのか。
チラシを見たあと、どこへつなげるのか。
問い合わせ、予約、来店までの流れが整っているか。
地域の中で、どう知ってもらい、どう選ばれるか。

そこから逆算して、紙とWebを組み合わせていくことです。

新聞や折込チラシを取り巻く現状は、決して楽観できるものではありません。
それでも、単に「古い媒体だから仕方ない」と切り捨てるのではなく、今の時代に合った使い方を考える余地はまだあります。

千客万来ラボでは、チラシやパンフレットなどの紙媒体だけでなく、ホームページ、LINE、Googleマップ、SNS広告なども含めて、地域のお店や中小企業の販促を一緒に考えています。

新聞配達のバイクが走る朝の風景は、これから少しずつ変わっていくのかもしれません。

それでも、「地域の人に情報を届ける」という役割は、これからもなくならないと思います。